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健康

僕は3年半の旅の中で、幸いにも大きな病気に罹る事はありませんでした。罹った病気といえば風邪と下痢ぐらいで、下痢は旅の通過儀礼みたいなもので、病気の内には入らないでしょう。

高山病や感染症の中には、対処が遅れると死に至るものもありますが、たいていの病気の初期症状は、発熱や頭痛、食欲不振など風邪と同じで区別がつきません。従って体調が悪い時には、できるだけ早く医師の診断を受けましょう。海外旅行保険に加入している場合は、保険会社に連絡すれば、病院の紹介や応急処置等のアドバイス、更に必要ならば入院や搬送等も手配され、個人で対応するより迅速で確実です。

下痢:Diarrhea

感染の危険性を減らすには、飲食物に注意することです。体が慣れていないときは、生水も避けたほうが賢明です。下痢の予防として、整腸剤を使うことが考えられますが、旅の間中服用し続けるのは現実的ではありません。それよりも徐々に体を慣らし免疫力を高めるのが、最良の予防法です。海外で下痢止めを購入すると抗生物質 (Antibiotic)を処方されることがありますが、これを予防内服に使用すると、病原体の薬剤耐性を発達させる上、副作用を伴うので避けてください。たいていの下痢の症状は、数日で解消します。重要なのは、脱水状態にならないよう、充分に水分、塩分を補給することです。グルコース(ブドウ糖)を含む経口輸液【*1】やスポーツドリンク等が効率的ですが、入手できない場合はジュースに塩を少量加えたもので代用できます。(ジュース1リットルに対し、塩小スプーン1杯を目安にして下さい)

頻繁な下痢、血便、嘔吐を繰り返したり、発熱のある場合は医師の診断を受けてください。

インドでは回収したペットボトルに、水道水を詰め新しくキャップをしたものが、店頭で売られている事があります。普通の水道水よりも水質が悪いこともあり、下痢の原因の一つになっています。明らかに不純物や濁りがあるものは避けましょう。

中身を入れ替えるのは、お酒でもよく使われる手口です。これも味は勿論、品質にも問題があるので注意が必要です。

コレラ:Cholera,Cholela

1日か2日の潜伏期間(数時間のときもあります)で発病します。症状は突然の吐き気、嘔吐、猛烈な下痢。下痢便は米のとぎ汁のようなゆるいもので、1日で数十回に及びます。症状が重い場合には点滴が必要なので、早く医師の治療を受ける必要があります。

アメーバ赤痢:Amoebiasis

潜伏期間は数日から数カ月と不定です。主な症状は下痢と腹痛で、1日数回から10数回。特有のイチゴゼリー状の粘血便があります。細菌性赤痢(アメーバ赤痢)、原生動物感染、腸管内蠕虫感染症には特別な治療が必要なので、早く医師の治療を受ける必要があります。

A型肝炎:Hepatitis type A

最も罹りやすい感染症が、A型肝炎です。予防法にはワクチン接種があります。感染の危険性を減らすには、飲食物に注意することです。生ガキから感染することもあります。インドではA型肝炎に感染して黄疸が出ている人が、食堂で働いていることがあるので注意しましょう。アジアを旅行した事がある人は、気が付かないうちに感染し、既に抗体が出来ている事があります。A型肝炎ウイルスに汚染した飲食物などを経口摂取することで感染します。約2週間〜50日の潜伏期間で発病します。症状は発熱、黄疸、著しい衰弱がみられますが、体力のある人は「少し体がだるいな」といった程度で、感染に気が付かない人もいます。特定の治療法ははなく、安静と食事療法で回復を待ちます。重症になると1カ月以上の入院が必要となる場合があります。

B型肝炎:Hepatitis type B

B型肝炎は血液媒介感染(性行為、輸血、注射針の使い回し等)で、健全な旅行者?にはあまり関係ないので省略します。


【*1】経口輸液の組成
1リットルの水に対し:塩化ナトリウム3.5g、クエン酸ナトリウム2.9g(炭酸ナトリウム2.5g)、塩化カリウム1.5g、ブドウ糖20g(または砂糖40g)

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